短期的に手っ取り早く痩せる方法に断食があります。
体にカロリーである食事が供給されないのでダイエットの効果は早いのですが、では体内ではどのような変化が起きているのでしょうか?
女性 身長160センチ 体重57キロ 年齢30歳を例に考察してみましょう始めに体重57キロの女性が安静にしている場合に必要な基礎代謝を計算します。これは安静にしているだけで消費するカロリーを計算してどれくらい生存可能かを導きます。
体重57キロ・体脂肪20%の女性の場合
57000g(体重)×0.2(体脂肪)×10g(脂肪のカロリー)/1000kcal(基礎代謝量)=114日
脂肪があることにより基礎代謝で生命を維持できる日数も計算できます
彼女の場合は生存可能日数114日となります。
理論的には断食をしても彼女は114日間は生存出来ます。
断食シュミレーション
断食開始 0日
女性の関東在住 30歳 身長160cm 57キロ 体脂肪20%
断食の間は水分は補給できるとします
断食開始 1日
体内の肝臓などに貯蔵されているグリーコーゲンが分解されて、ブドウ糖として 消費されます。ブドウ糖は脳細胞や筋肉などでこのうち3割弱が脳細胞にて優先的に消費されます。脳細胞や筋肉の栄養源としてブドウ糖は効率よく素早くエネルギーに変換されます。ブドウ糖は様々な臓器のエネルギーとして有用ですが多くは貯蔵できないのが難 点です断食を開始して間もないため体の新陳代謝が適応していなく空腹感がピークになります。
女性「凄く空腹を感じてイライラする」
断食開始 2日
体内に貯蔵されていたグリコーゲンが無くなると脳細胞が栄養素をもとめて脂肪を分解してエネルギーに変えようとします。この時、肝臓にて燃焼されブドウ糖の代替エネルギーとして消費されます。しかし ブドウ糖と比べるとエネルギー効率が低くブドウ糖75%しか供給されませんこの時脂肪が燃えたさいに出来た物質がケトン体です。ケトン体はアセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という、3つの物質の総称です断食に対応するために体の代謝に変化が起きるため体に違和感を感じる時期です。また空腹感は多少軽減されます。
女性「体が少しダルく感じる昨日より空腹感はかんじない」
断食開始 3日
脂肪が燃焼されつくすと体内のタンパク質を分解してでも栄養源を作り出そうとします体内にある骨や筋肉からタンパク質を分解されてしまうので免疫力が落ちて疲れやすく倦怠感を感じたり思わぬ病気にかかりやすくなります。筋肉量が徐々に細く減って来るので痩せ細って来るのも実感できるのもこの時期です。
女性「少し寒気がするけどややホッソリしてきた 体重も減少しているのかも」
Emergencyモード
断食開始 10日
断食後10日を過ぎると体内のタンパク質の半数以上が分解されます。この頃から 体内の免疫システムに必要なビタミン類が不足して通常の免疫力の40%くらいまで落ち込みます。日和見感染や細菌による風邪に罹患しやすくなります。またカロリー不足により基礎代謝量が減り基礎体温が35度に満たない低体温症になっていきます
女性「非常にダルい 寒気が止まらず風邪がなかなか治らない」
Deathゾーン
断食開始 25日
過去のハンガーストライキからの記録によるとこの頃から死亡する人がでてきます。目安としては足腰に力が入らず寝たきりになると7日程度で死亡します。各個人の個体差により免疫力や脂肪量の違いによって何日から死亡するとは明言できませんが通常21日~70日の間でおおよその人間が餓死します。
女性「・・・・・・」
基礎代謝からの生存可能日数114日と比べると90日も短い日数で死亡するのは 体内で脂肪やタンパク質が分解される過程において内臓が疲弊し体内の免疫力が低下するために様々な病気・感染症にかかりやすく肺炎などを誘発し死に至るケースが多いようです。
短期間の断食で免疫力が向上したり即効性のあるダイエットとして認知されていますが
体に掛かる負担は想像以上です
断食ダイエットで脂肪の燃焼を考えた場合、断食は3日以内に納めたほうが良いでしょう。